臨床面では、大学との連携が生まれることにより、診断に困った症例や治療に難渋した症例などを大学の臨床経験豊富な先生に相談することができます。出身大学や学年を超えた縦および横のつながりができ、このつながりは長い医師人生において非常に貴重な財産となります。また、学会発表や論文作成の際にも、場数を踏んでいる大学の先生に相談することで完成度も高まり、より良い内容のものに仕上がるはずです。
研究面では、臨床を行いながら研究する形もありますし、大学院に入学して4年間しっかり研究する形もあります。臨床と研究は別のように思うかもしれませんが、研究に携わることで医学を別の角度から見ることは、臨床医としての幅を広げることになります。若いうちに視野を広げ、多角的な思考を身につけることは非常に大切なことだと思います。
入局することの煩わしさを感じることもあるかもしれませんが、医師として最も重要な初期教育をきちんと受けることが、その後の長い医師人生を左右することは間違いありません。そのためにも若いうちに大学でしっかり臨床および研究について学ぶことをお勧めします。
当科は消化管グループと胆膵グループの2つのグループがあり、非常に広い分野を学ぶことが可能です。食道癌、胃癌、大腸癌の内視鏡治療(EMR・ESD)はもちろんのこと、カプセル内視鏡、バルーン内視鏡による小腸検査も積極的に行っています。さらに、炎症性腸疾患の治療に関しては、松本教授はスペシャリストであり、様々な治験にも参加し、クローン病の診断に欠かすことのできない小腸造影検査も行っています。また、胆膵疾患においてはERCP、EUS-FNAの手技はもちろん、バルーン内視鏡を使用した胆道処置も行っており、胆膵疾患の治療件数は東北トップクラスを誇ります。すなわち、消化器疾患全般の診断、治療を広く学べることが当科の一番の特徴です。
また、当科は東北出身者だけでなく全国各地から様々な人材が集まっているため、経歴や出身大学にとらわれずお互い刺激を受け、日々切磋琢磨しています。
消化器内科医としての一番の基本手技は、上部内視鏡検査および大腸内視鏡検査です。内視鏡検査は特に重要で、多くの病院で必要とされています。内視鏡検査は放射線被爆がないことも女性医師にとって魅力の一つであると思います。女性医師の場合、キャリア形成は様々で、結婚や出産・育児等で一時的に臨床から離れることもあると思います。臨床に復帰する際に、内視鏡検査ができるだけで引く手あまた、復帰の選択肢が格段に増えます。例えば週に数日、午前中の上部内視鏡検査の応援ができるたけで、多くの病院から診療応援のオファーがくるはずです。限られた時間内での職場復帰は、女性医師のキャリア形成にも、大きなメリットになると思います。
本学出身で研修医や学生時代に当科をまわって雰囲気をご存知の方もいると思いますが、他大学出身者であればなおさら、職場の環境や雰囲気を事前に知りたいと思うのは当然です。まずは一度、気軽に見学にいらしてみてください。見学や個別の相談は随時受け付けておりますので、imgast@iwate-med.ac.jpまでお気軽にお問合せください。みなさんと一緒に働ける日を楽しみにしています。